パフュームとパジャマ

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パフュームは、薫香のことですよね。佳い薫りのこと。フランス語で「パルファン」といえば、香水の意味にもなります。
パフューム perfume はラテン語の「ペルフメ」から来ているとか。これは、「煙を通して」の意味。今の香水が生まれる前は、「香木」だったのでしょう。佳い薫りのする木に火をつけることで、薫香を得たものと思われます。
「香木」は今日でも存在しています。たとえば、香道。香道は、薫香の嗜みです。平安時代の昔から、日本では薫香を嗜むことが、藝とされたのです。貴重な香木を燻らせて、その薫りを、聞く。これを、「聞香」言います。かなり高度な感性を求められる藝でもあります。
香道の代表的な香木が、伽羅。伽羅は沈香のひとつで、そのうちのさらに優れたものを、伽羅と呼ぶわけです。
パフュームの話が出てくる物語に、『シートンのおばさん』があります。1922年に、ウォルター・デ・ラ・メアが発表した物語。

「ラヴェンダーとオー・デ・コロンに、昔の匂い袋と石鹸と薬の芳香が……………」

夜、眠ろうとすると、どこからか不思議の匂いが漂ってくる場面。また、『シートンのおばさん』には、こんな描写も出てきます。

「シートンは当時まだ珍しかった上下そろいのパジャマを着ており……………」。

シートンは、物語に登場する少年の名前。「当時まだ珍しかった……………」。ということは、パジャマ以前には何を着ていたのか。ナイト・シャツ。シャツを膝下まで長くしたものを着て、睡ることが多かったのです。
さて、絹のパジャマを着て睡りましょう。枕の近くに、ラヴェンダーのかすかな薫りがあると、よく睡れますよ。

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