クッキーとクレリカル・カラー

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クッキーは美味しいものですよね。小さいクッキーなら、いくらでもいくらでも………。
クッキーとビスケットは、なにがどう違うのか。ビスケットがもし紅茶に合うとするなら、クッキーは珈琲に合うのかも知れませんが。
クッキーがお好きだったお方に、川端康成がいます。川端康成はあまり酒は召し上らなかった。そのせいもあってか、大の甘党。クッキーに限らず、和菓子をも含めて、大好物だったらしい。
でも、晩年の書斎には必ず、缶入りのクッキーが置いてあったという。それは、「カド」のクッキー。「カド」は以前、駒込にあった洋菓子店。「カド」は、昭和三十五年の開店で、この時、川端康成は推薦文を書いています。

「その味はひと美しさとは心底から私を喜ばせた……………」。

「カド」への推薦文はそんな風にはじまっています。「カド」のクッキーにはチェリーの上からシュガー・コートを施したものがあって。これを見た川端康成は言った。
「このチェリーには、エロティシズムを感じます」と。
さすが、天才ならではの、感性でありましょう。
クッキーが出てくる小説に、『傷ついた葦』があります。曽野綾子が、昭和四十五年に発表した物語。

「光森はいつもの通り、紅茶を飲み、クッキーを一片食べ………………」。

光森 守は、三浦半島の、ある小さな教会の神父という設定。当然、儀式にはクレリカル・カラーを付けます。
クレリカル・カラーは、ローマン・カラーとも。立襟で、後ろで、留める式の襟。また、宗教的な意味を持つ襟でもあります。
これに似た言葉に「クレリック・カラー」があります。ただしクレリック・カラーは純然たる和製英語。むしろ「ホワイト・カラー」のほうが正しいと言えるでもありますしょう。
ホワイト・カラーのシャツを着て、エロティシズムを感じさせるクッキーを食べに行こうではありませんか。

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