サラリーとサージ

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サラリーは、いつ頂いても嬉しいものですね。サラリーの言葉が、「塩」から来ているのはよく知られているところでしょう。
古代ローマでは、兵士への給与を塩で支払った。ために「サラリー」の言葉が生まれたのだ、と。ラテン語で「塩」は、「サラリウム」 salariumで、ここから「サラリー」salary になったとか。英語での「サラリーは1315年頃から使われているそうですから、古いですね。
たしかに塩は料理でも人生でもたいせつで、まさに「塩加減」ひとつで、活きもし死にもするのでしょう。
昔むかし、塩がいかに貴重とされたかは、地名にも遺されている通りです。「塩尻」だとか「塩江」だとか。外国にも、「ザルツブルク」があります。ザルツブルクは、オーストリア中部の町。モオツアルト誕生の地でもあって、今なお音楽の都であります。ザルツは、「塩」ブルクは、「砦」。無理やり日本語にするなら、「塩砦」ということになるでしょうか。
サラリーが出てくる随筆に、『つづりかた巴里』があります。高峰秀子の名文です。この中に。

【映画人一般もサラリーマン化したりで、だいぶようすが変わってきているが、私が住んでいた昔の映画界には、名人気質が横溢するプロの荒っぽさがあった。」

そんな風に書いています。
高峰秀子が「プロ」の世界に入ったのは、昭和四年、五歳のとき。五歳の女の子が「名人」の間で生きるにはそれなりの苦労もあったようで。高峰秀子が出した結論は、「妖精パック」に変身すること。そして「妖精パック」に変身するための衣裳を、次のように書いています。

「私のパックの衣裳として選んだのは、真っ白の男仕立のワイシャツにえんじ色のネクタイ、紺サージの吊りスカートにセーラー服であった。」

うーん、名案ですね。
まあ、サージの応用範囲は広いですから。サージはまた近いうちに復活することでしょう。サラリーをもらうにも最適の生地ですからね。

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