レッド・サンという映画がありましたよね。1971年のパラマウント映画。たしか、フランス、イタリア、スペイン合作の映画だった記憶があります。
とにかく、日本の侍が出てくる洋画だったのは、間違いありません。
出演は、チャールズ・ブロンソン、アラン・ドロン、三船敏郎。もちろん三船敏郎が「侍」を演じるわけです。
そもそも『レッド・サン』は、三船敏郎がパラマウントに提案した結果なのですね。監督は、テレンス・ヤング。多くの有名監督の中で、三船敏郎がテレンス・ヤングを選んで。その理由。
「私に、ちゃんと挨拶してくれたので…………………。」
レッド・サンは、「真夏の太陽」でしょうか。夏の太陽を詠んだお方に、齋藤茂吉がいます。
あのゴンドラに乗って漕ぎ出したのは、夏の太陽の落ちかかった頃であつた………………………」。
齋藤茂吉が若き日に、ヴェニスを旅した時の印象。その日の夜、齋藤茂吉はヴェネツィア産の葡萄酒を飲んだという。これもまた、赤葡萄酒だったかも知れません。
齋藤茂吉もまた、赤にとくに反応したようで、「赤き下着」の歌をいくつも詠んでいます。「下着」には、「ちよつき」のルビが振ってあります。
白いシャツ、赤いチョッキ、黒い上着。いいですね。
レッド・ヴェストを着て、『レッド・サン』を観に行くといたしましょうか。