グリーンで、英国の作家といえば、グレアム・グリーンでしょうね。グレアム・グリーンの代表作は、『事件の核心』でしょうか。
グレアム・グリーンの小説には、多くスパイが登場することでも知られています。
グレアム・グリーンの叔父に、ウイリアム・グレアム・グリーンという人物がいました。このウイリアム・グリーンは、英國海軍省の、秘密情報部を作った人だと考えられています。ウイリアム自身、スパイでもあったのですが。
グレアム・グリーンは、1904年10月2日の生まれ。第四子でありました。上にモリーというお姉さん、ハーバートと、レイモンドというお兄さんがいたのです。
長兄のハーバート・グリーンは、1930年代に、日本のスパイでした。日本は高額の報酬を払って、ハーバートから秘密情報を得ていました。それは英國が持っている、アメリカ軍の詳細な軍事力を流してもらっていたのです。
グレアム・グリーンはまことにスパイになるには、絶好の環境だったといえるかも知れません。
事実、グレアム・グリーンはスパイ活動に従事していたのです。
グレアム・グリーンでよく知られている映画に、『第三の男』があります。当時、グレアム・グリーンは脚本の「取材」のために、プラハを旅していました。実は英國はその時、プラハの裏の事情を知りたがってもいたのです。そして作家が「取材」でプラハを訪れるのは、ごく自然なことでもありましたから。
グレアム・グリーンの『事件の核心』に、こんな描写があります。
「 「限度というものがあるよ」と、拠りどころを示すようにクラブ員の揃いのランシングのネクタイを指しながら。」
これは、フェロウズという男の様子。たぶん、クラブ・タイを結んでいるのでしょう。グレアム・グリーンは、小説の中にもっとも多くクラブ・タイを登場させて作家でもあります。
「ランシング」は、店、またはメーカー名かと思われるのですが。
クラブ・タイは多く、ストライプ柄になっています。各学校によって縞の向きが決められる。でも、ごく大まかな区別をすると、右上がりの縞はモダン派。右下がりの縞は、クラッシック派。
それというのも昔の服は胸開きが狭く、ほとんど結び目しか見えなかった。この結び目に、右上がりの縞がくるように、「右下がり」の縞としてものです。
クラブ・タイを結んで、グレアム・グリーンの初版本を探しに行けるのは、いつの日のことになるでしょうか。