シャルルマーニューは、カルル大帝のことなんだそうですね。
シャルルマーニューが王位についたのは、768年10月9日のことだと、考えられています。シャルルマーニューは。ぺパン王の息子。ぺパン王には二人の息子がいて、カルロマン。768年には、カルロマンとの共同王だったという。771年にカルロマンが世を去ったので、それ以降はシャルルマーニューの単独王となったわけでありますが。
シャルルマーニュー大帝の時代にも、フランスの文明が大いに発展したと伝えられています。
今、ワインのほうでは、「オスピス・ド・ヴォオヌ」がよく知られています。これはもともと「ヴォオヌの病院」の意味なのですね。「オスピス」は正確には「救護院」であって、巡礼者などを救うための施設から発展したもの。この「オスピス」は、シャルルマーニュー大帝の時代、フランス各地に点在していたそうです。
シャルルマーニュー時代のオスピスは、ひとつの例に過ぎませんが、およその文化程度を知るよすがともなるでしょう。
シャルルマーニューが出てくる小説に、『てんとう虫』があります。D・H・ロレンスが、1923年に発表した短篇。
「シャルルマーニューの紋章は蜂だった。それにくらべれば、これはマリエンケーフル ー つまりマリア甲虫です。聖母の甲虫なんですよ。」
これは、ヨハン・ディオニス伯爵の科白。ヨハン・ディオニス伯爵が、シャツの話をする場面があります。
「ぼくが結婚したとき、シャツは六十枚ありました。」
ヨハン・ディオニス伯爵のシャツはすべて、妻の手づくりだった。そしてディオニス伯爵家の紋章は、てんとう虫。それで短篇の題が、『てんとう虫』になっているわけです。
そのてんとう虫の紋章をどこにあしらうのか。カラーの裏側に。おそらく、人目には晒さない場所ということなのでしょう。
「いまでも縫いとりのてんとう虫の肌ざわりが残っているような気がするのです。」
ディオニス伯爵は、そのようにも語っているのですから。
カラーの裏にモノグラムを配して、美味しいワインを飲みたいものですね。