バーンは、英米人に多い姓なんだそうですね。ふつう、Byrn e と綴るんだとか。
たとえば、アレクサンドラ・バーン。アレクサンドラ・バーンは、イギリスの衣裳デザイナー。ひとつの例ではありますが、2001年の映画『コレリ大尉のマンドリン』でも、アレクサンドラ・バーンが衣裳デザインを担当しています。
『コレリ大尉のマンドリン』は、ルイ・ド・ベニエールの原作を映画化したもの。1995年の発表。ルイ・ド・ベニエールの名前だけからすると、誰しもフランス人を想起するでしょう。が、実際には、れっきとしたイギリス人。1954年に、ロンドンに生まれています。ただ、ずっと先祖を辿るとフランス人の血も流れているのでしょうが。
1999年の映画、『ノッティング・ヒルの恋人』がありました。この中で、ヒュー・グラントが公園のベンチで熱心に本を読む場面があります。その本というのが、『コレリ大尉のマンドリン』。つまり、『コレリ大尉のマンドリン』は、それほどに、画期的なベスト・セラーだったのです。『コレリ大尉のマンドリン』は、少なくとも二百万部は軽く超えているでしょう。
いや、バーンの話でしたね。バーンが出てくるミステリに、『チャイナ・オレンジの秘密』があります。1934年に、エラリイ・クイーンが発表した物語。
「バーンは周囲の緊迫した空気など冷やかに無視して肩をすぼめてみせた。」
フェリックス・バーンは、共同経営者という設定。また、『チャイナ・オレンジの秘密』には、こんな描写も出てきます。
「バリモア主演の新しい映画が< ラジオ・シティ >にかかっているんですよ。」
これは、ジェイムズ・オズボーンの科白。ここでの「バリモア」は、たぶん、ジョン・バリモアのことでしょう。
ジョン・バリモアは、ライオネル・バリモアの弟。バリモアは、アメリカの俳優としては、「名家」なのです。エセル・バリモアは、ジョン・バリモアのお姉さん。
1933年のニューヨークでは、バリモア主演の『夜間飛行』がかかっていましたから、それを指しているのかも知れません。
ジョン・バリモアが愛用した、長い襟先のことを、「バリモア・カラー」。
時にはバリモア・カラーのシャツで、美しいバーンを探しに行きましょうか。