サヴォイとシルク

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サヴォイ・ホテルは、有名ですよね。1889年8月6日の開業なんだそうです。

これは「サヴォイ劇場」と関係が。「サヴォイ劇場」で成功した、リチャード・ドイリー・カートが開いたんだとか。支配人に、セザール・リッツを。セザール・リッツが招いたのが、オーギュスト・エスコフィエ。

ホテルを成功させるための絶対条件がレストランにあることを、リッツは知っていたんですね。事実、エスコフィエの料理を食べるためにサヴォイに来る客が少なくなかった。

その中のひとりが、英国皇太子。もちろん、後のエドワード七世。ある時、皇太子主催の晩餐会がサヴォイで開かれて、そのメニューは。

前菜に、カンタルー産のメロン。海亀のコンソメ。サーモンのロワイアル風。ハムのムース。仔羊の鞍下肉の串焼き。ジビエのゼリー寄せ。アルジャントゥイユのアスパラガス。デザートには、パイナップルのビストイユ……。

これらに合わせる飲物は。まずはじめに、アモンティラード。ベルンカステラー・ドクトール、1887年。ブラウン・カントナック、1888年。ポメリー・ブリュット、1884年。モエ・キュヴェ、1884年。シャトー・レオヴィル・ポワフェル、1878年……。

『エスコフィエ自伝』に出ている話なんですが。サヴォイ・ホテルが出てくるミステリに、『英雄』が。1994年に、フリーマントルが発表した物語。

「カウリーは残りの四人の先頭に立ってサヴォイのバーに入っていったが……」

ウイリアム・カウリーは、FBIの課長という設定。また、こんな描写も。

「この男は茶色の絹のスーツの上に……」

「この男」とは、ユーリー・エルモロヴィッチという人物。
シルクのスーツで、サヴォイへ。まるで夢のような話ですが。

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