鮎とアロハ

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鮎は、美味しいものですね。鮎は塩焼きにいたしますと、頭から尻尾まで、ぜんぶ食べられてしますます。捨てるところのない魚でもあります。
鮎の別名が、香魚。鮎独特の薫りがあるから。あの薫りのもとは、藻なんだとか。薫りの良い藻をたくさん食べている鮎ほど、佳い薫りがするのでしょう。
それにしても、どうして「鮎」なのか。いろんな説があるのですが、そのひとつに、古語の「あゆる」からとも。奈良時代の言葉、「あゆる」から「鮎」が生まれたんだとか。「あゆる」は、「川をくだる」の意味があったという。

鮎で想い出すお方に、本田宗一郎がいます。毎年、年に一回の「鮎パーティー」は好評だったそうですね。当時、本田宗一郎のご自宅は落合にあって。落合の自宅には川が流れていて。この川に鮎の稚魚を放流。それで時期になると、客に鮎をご馳走したんだそうですね。

本田宗一郎がお好きだったのが、絵。ことにシャガールの絵がお好きだった。1980年代、本田宗一郎はパリにシャガールを訪問してもいるのです。その時の手土産に、本田宗一郎は、日本の筆と墨、硯などを自作。と、シャガールはその日本の筆などに興味を持って、アトリエにこもってしまったという話があります。

鮎が出てくる小説に、『自由学校』があります。獅子文六が、1950年に発表した物語。

「小さな鮎をオリーブ油で揚げたと見えて、黄金色に反りかえってるのを、茂木は、塩をふりかけてから、指でつまみながら……………。」

これは長良川から取り寄せた鮎という設定になっています。もちろん「茂木邸」での鮎パーティー。「大鮎のムニエル」なども出てくるのですが。
また、『自由学校』にはこんな描写も出てきます。

「良人より、二寸ぐらい背の高い夫人は、アロハのようなものを着て、白いショーツを穿き、まるでアメリカ人のような勇ましさで……………。」

これは茂木夫人の着こなしとして。
夏にアロハはいいものですね。より正しくは、「ハワイアン・シャツ」。1955年に、
グレアム・グリーンが書いた『おとなしいアメリカ人』にも、「ハワイアン・シャツ」が出てきます。
もともとのハワイアン・シャツは和服地だったそうです。
どなたか絹のアロハ・シャツを作って頂けませんでしょうか。

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