ソーセージは、腸詰のことですよね。sausage と書いて「ソーセージ」と訓みます。
この「ソーセージ」は、ラテン語の「サルシキア」から出ているんだとか。「塩味をつける」の意味であったという。
豚肉を燻製して、腸に詰めて、保存食品にしたのが、はじまりなんでしょう。
「ウインナー・ソーセージ」というではありませんか。
明治五年。長崎の、片岡伊右衛門が、オランダ人の教えられて、ソーセージを作った記録があります。
明治七年。今の戸塚、川上で。英国人、ウイリアム・カーティスが、ソーセージなどを。これが「鎌倉ハム」のはじまりなんだそうですね。
「銀紙巻きたり腸詰肉を柱とし………」
1901年に、森 鷗外が翻訳した『即興詩人』に、「腸詰」が出てきます。銀紙に包まれたソーセージだったのでしょう。
「此れ? 此はレヴアのソーセージ。神戸の独逸人の店のよ」
1929年に、谷崎潤一郎が発表した小説『蓼喰ふ蟲』に、そんな会話が出てきます。
「お母さまは、ランチのお菜のハムやソセージなどをも、ひよいと指先でつまんで召し上る事さへ時たまある。」
1947年に、太宰 治が発表した小説『斜陽』にも、ソーセージが出てきます。太宰 治は、「ソセージ」と書いているのですが、たぶんソーセージのことなのでしょう。
ソーセージが出てくるミステリに、『アン・エリザベスの死』があります。ファニー・ハーストが、1950年代に発表した物語。
「………えりぬきハム・エッグズ、田舎ソーセージとそば粉のケーキなどの朝食を楽しんできた。」
これは「ケラー夫妻」の話として。
『アン・エリザベスの死』を読んでおりますと、こんな文章も出てきます。
「………夕食前にはたいていソルト・アンド・ペッパーの服を別のペッパー・アンド・ソルトの服に着換えた。彼は霜降り以外の服は着用しない男だったのである。」
これは、ヘンリー・ジェットの習慣として。
霜降柄は、よくありますよね。でも、ペパー・アンド・ソルトなのか、ソルト・アンド・ペパーなのか。
「ペパー・アンド・ソルトは、1774年頃からの英語。
「ソルト・アンド・ペパー」は、1915年頃からの英語。
古語なのか、新語なのか。もちろん、ペパー・アンド・ソルトの方が、クラっシックな言い方なのですね。
どなたかペパー・アンド・ソルトのトゥイード・スーツを仕立てて頂けませんでしょうか。