スコットランドとスェーター

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スコットランドもまた、北国ですよね。北国だからこその名品も少なくありません。
たとえば、スコッチ・トゥイード。たとえば、スコッチ・ウイスキイ。そのどちらも身体を温めてくれるものです。
さらにトゥイードとウイスキイとには、共通点があります。ピートの薫り。ピートは、泥土。ピートを燃やすと火になり、暖房になります。
トゥイードの工房では、ピートを暖房に使い、ウイスキイ工場では、麦を炒るのにピートを使ったからです。

1902年に、スコットランドを訪問した日本人に、夏目漱石がいます。このことは夏目漱石自身、『永日小品』の中に書いてある通りです。
漱石研究家の間では、1902年10月頃のことではなかったかと、考えられています。その期間は、ざっと二週間ほど。場所は、ピトロッホリという村。「ディクソン」という知人の家に滞在しています。
漱石は、『永日小品』の中で、スコットランド衣裳について述べていますが、特にトゥイードやウイスキイには触れてもいません。が、二週間の間にウイスキイを勧められることもあれば、トゥイードを目にする機会もあったでしょう。

スコットランドが出てくる小説に、『ミステリウム』があります。1992
年に、エリック・マコーマックが発表した物語。『ミステリウム』は、スコットランドが背景となっています。第一、著者のマコーマックは、1938年にスコットランドに生まれているのですから、当然でもあるでしょう。
『ミステリウム』の中にこんな描写が出てきます。

「茶色のコーデュロイのズボンをはき、緑色の厚手のウールセーターを着ていた。」

これは「カーク」という四十代の男の着こなしについて。
スコットランドでのスェーターは、厚手でなくてはならない。とにかく北の国なのですから。簡単に北風を通してしまうようでは、失格でしょう。
どなたかうんと厚手の風を通さないスェーターを編んで頂けませんでしょうか。

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