ハイソックスは、長靴下のことですよね。ハイソックスに対して踝までの短いものを、ソックス。ハイソックスはふつう膝下までの長さの靴下でしょう。
ハイソックスよりもさらには長い靴下なら、ストッキングと呼ぶべきでしょうか。
でも、ハイソックスは和製英語だと思います。英語には、「ホーズ」hose の言い方があるようです。
水撒きする時、ホースを使いますよね。あのホースと同じ綴り。でも、ほんとうは「ホーズ」と発音するんです。
まるでホースみたいな靴下。そんなことから来ているのでしょうか。
ハイソックスが出てくる小説に、『ベティさんの庭』があります。
『ベティさんの庭』は、昭和四十八年に、「芥川賞」を受けています。物語の背景は、当時のオーストラリアになっています。
「マイクは、彼がちょっと砕けた集りに好んで着用する茶や赤や緑のチェック柄のシャツに着替えて、野田と同じようにハイソックスに靴を履いているのを見た。」
ここでの「マイク」は、ベティさんの夫という設定になっています。
ベティさんの知人が立川基地近くで、テイラーをやっていて。その店の客だった「マイク」と出会って、結婚。マイクの故郷であるオーストラリアに住んで。そんな内容になっています。
でも、実際の山本道子は、国際結婚ではありません。日本人のご主人の仕事の都合で、オーストラリアに移ったのは、ほんとうなのですが。
『ベティさんの庭』を読んでいますと。スーパーマーケットの香水の匂いが出てきます。
朝、ベティさんがスーパーマーケットに買い物に行くと、香水の匂いが。それはスーパーマーケットの女店員のつけてくる香水の匂いなんだそうです。まあ、「所変われば品変わる」とは申しますが。
ハイソックスが出てくる小説に、『誕生日』があります。1969年に、カルロス・フエンテスが発表した創作。難解この上ない小説でもあります。
「白いハイソックスと飾り留め金のついたエナメル靴はそのままだ。」
これは「ヌンシア」という女の様子について。
また、カルロス・フエンテスの『誕生日』には、こんな描写も出てきます。
「敷居のところで足を止めると、部屋のなかではわたしがまた狩猟用の服に着替えていて、その姿をヌンシアがベッドからうっとりながめていた。」
たぶんハンティング・ジャケットなんでしょうね。どなたかシルク・ギャバディンのハンティング・ジャケットを仕立てて頂けませんでしょうか。