ジャクソンは人の名前にもありますよね。たとえば、マイケル・ジャクソンだとか。
マイケル・ジャクソンよりも前の時代の歌手に、「マヘリア・ジャクソン」がいます。マヘリア・ジャクソンの歌を憶えていらっしゃるでしょうか。
あの「ゴスペルの女王」と謳われたマヘリア・ジャクソンを。
マヘリア・ジャクソンは、1911年10月26日。ニュウオーリンズのウウォーター・ストリートに生まれています。
1920年代から、マヘリア・ジャクソンは、教会で歌を歌っていたそうです。黒人霊歌を。それは純粋に宗教儀式としてのゴスペルだったのであります。
1920年代末から、1930年代のはじめにかけて、シカゴなどの教会でも、歌うように。マヘリア・ジャクソンの歌が信者に人気があったので。いろんな教会の牧師が、マヘリア・ジャクソンに、歌いに来て欲しいと頼まれたから。
それでマヘリア・ジャクソンには、お金が貯まって。マヘリア・ジャクソンは、花屋を開く。「マヘリア・フラワーショップ」を。
「マヘリア・フラワーショップ」は、大盛況。それというのも、客たちはマヘリア・ジャクソンに自宅でゴスペルを歌ってもらいたいと思ったから。
また、マヘリア・ジャクソンのほうでも花を買ってくれた客に対して、断りにくかったからでしょう。
「切符売り場の真ん前に立ち、切符を売り、釣り銭を出し、来る人みんなに「今晩は、ようこそ、いらっしゃいました」とあいさつした。」
1966年に出版された『マヘリア ジャクソン自伝』には、そのように出ています。
ジャクソンが出てくる物語に、『ピミエンタのパンケーキ』があります。オー・ヘンリーの短篇。
「首には黄色いシルクのハンカチーフなんぞを巻いて………」
これは、ジャクソン・バードという若者の着こなしとして。
同じくオー・ヘンリーの短篇に、『ジョン・ホプキンズの完璧な人生』があります。
この物語の最後の一行は、こんなふうになっています。
「グレーのスーツで、よく見るとチェック柄になっててね。なかなか立派なスーツだよ」
これはジョン・ホプキンズの科白として。「ウイップルズ」の着ているスーツについて。
「よく見るとチェック柄」。私の勝手な想像ですが、シャドウ・チェックではなかったでしょうか。
どなたか完璧なるシャドウ・チェックのスーツを仕立てて頂けませんでしょうか。