ピーターとピー・ジャケット

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ピーターは、男の子の名前にありますよね。イギリスで、ミステリ作家でといえば、ピーター・ラヴゼイでしょうか。
ピーター・ラヴゼイは、1936年9月10日に、イングランドに於いて生まれています。現在、八十八歳。ミステリを書くのは長寿に関係しているのでしょうか。
ただし、ピーター・ラヴゼイはミステリを書く立場。ピーター・ラヴゼイはあまり他のミステリは読まないんだそうです。
その理由は。

「他のの作者のミステリが羨ましく思えるからね」

などと謙虚なことを仰っているのですが。
ピーター・ラヴゼイは、1970年に『死の競歩』で、デビュウ。歴史物のミステリでしたね。

1996年には、ピーター・ラヴゼイはパロディをも書いています。『四人目の賢者』がそれです。
この『四人目の賢者』は、シャーロック・ホームズのパロディになっています。

「一八九五年十二月のある朝のこと、シャーロック・ホームズは、それまで読んでいた『タイムズ』を放り投げて、いきなり私に話しかけてきた。」

ピーター・ラヴゼイの『四人目の賢者』は、こんなふうに書きはじめられるのですが。

コナン・ドイルが、1891年に発表した物語に、『赤毛連盟』があります。この中に。

「さあ、これで全員揃った」ホームズはそう言うと、水夫用の厚手のジャケットのボタンをかけ、棚から重い狩猟用のむちを取り上げた。

「水夫用の厚手のジャケット」。これは原文では、「ピー・ジャケット」になっています。
ピー・ジャケットは、寒い時の防寒具として、最適のものでしょう。英語としても、1725年の頃から用いられています。
ピー・ジャケットは、オランダ語の「ピー・イエッケル」から来ています。当時、オランダには、極厚の生地があったのでしょう。その「ピー」で仕立てられた外套なので、「ピー・ジャケット」なのです。
ピー・ジャケットはたいてい、フィンガーティプ・レングス。暖かい割に動きやすい外套なのです。
それに明らかに「海の男」の印象がありますから。それで、愛用されるのです。

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