バレエとバスク・ベレエ

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ベレエは、舞踏のことですよね。ballet と書いて「バレエ」と訓みます。
バレエの言葉が生まれたのは、1573年頃のことだそい

うですから、古いですね。
フランスでバレエを発展させたのは、ルイ十四世。ルイ十四世は、殊の外バレエがお好きだったので。1661年には、「国立バレエ・アカデミー」を創ってもいます。
1653年には、巴里で『夜のバレエ』が公演。当時のバレエは日暮れてからはじまり、夜明けとともに幕が降りたという。
その頃十四歳のルイ十四世は、『夜のバレエ』で、「太陽」に扮して踊ったんだそうですね。まさに「太陽王」というべきでしょうか。
ルイ十四世のバレエの先生が、ピエール・ボーシャン。ボーシャンが今日のバレエの基本を創った、そんな説もあります。
今のように女性バレリーナが活躍するようになったのは、十八世紀になってからのことなんだそうです。
その代表とも言えるお方が、マリイ・カマルゴ。1710年に生まれて、1770年に世を去っています。
マリイ・カマルゴは男性の脚のテクニックを取り入れて成功したバレリーナだと伝えられているのですが。そのためにスカート丈を短くして。当時、このカマルゴの短いスカートが大いに話題になったという。それ以前のバレリーナは皆、踝丈の衣裳で踊っていたものですが。
とにかく後に「カマルゴ・ケーキ」と登場するくらいの人気であったらしい。

近代の男性バレリーナで忘れてならないのが、モオリス・ベジャールでしょうか。モオリス・ベジャールには、『モーリス・ベジャール回想録』の著書があります。

「鉛筆を手に取る。幾つかの章に印をつけ、一節に下線を引いて、読んだ形跡を残しておく。来年、私は再びこの本を手に取り、他の一節に下線を引くだろう。」

「この本」とは、日本の古典『葉隠』を指しているのですが。モオリス・ベジャールは山本常朝の『葉隠』が愛読書だったようですね。

バレエが出てくる長篇に、『失われた時を求めて』があります。もちろん、フランスの作家、プルーストの大作。

「バレエ・リュスは、ただ照明の光を工夫して然るべき箇所に当てるだけで、本物と同じほど豪奢で」

マルセル・プルーストはここでバレエ・リュスの魅力を大いに語っています。
また、『失われた時を求めて』には、こんな描写も出てきます。

「バスクのベレー帽をかぶったひとりの男が、素朴な笛やバグパイプで」

これは野を歩く山羊飼いの男について。
バスク・ベレエbasque beret。ブレトン・ベレエに較べてやや小振りの帽子。私たちがベレエといってすぐに想起する帽子のことです。
フランスのバスク地方にはじまる帽子なので、その名前があります。

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