チューリップとチロリアン・ハット

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チューリップは、鬱金香のことですよね。昔の日本ではチューリップのことを、「鬱金香」の名前で呼んだことがあるんだそうです。
いったいチューリップが日本に伝えられたのか。正確にはよく分かっていないらしい。が、ひとつの説として、江戸時代の文久三年に、フランスから齎されたという。今の九段下のあった幕府の園芸所に植えられたものの長くは続かなかったとのことです。
今、チューリップといえば、オランダを想うのですが。中世にはむしろトルコにチューリップが咲いていたんだそうです。
1543年、メフメト二世は、イスタンブールにチューリップの庭を完成させたと伝えられています。
1554年。トルコに派遣されたオーストリアの大使、オジエ・ブスベックがチューリップの美しさを観て、本国に持ち帰った。これがヨオロッパでの最初のチューリップだったと考えられています。

「柵に近く詩人ルコント、ド、リールの石像の周囲には、五色に色分けしたチユリツプの花が、明い日光を受けて錦の織模様のやう。」

永井荷風は、『ふらんす物語』の中に、そのように書いています。おそらくは荷風もまた、チューリップがお好きだったのでしょう。

チューリップが出てくる紀行文に『伊太利紀行』があります。フランスの詩人、ハイネが1830年に書いた記録なのですが。ハインリッヒ・ハイネはイタリアの前に、スイスにも立ち寄っています。

「色んな色のチエウリップが長い列をつくって並んで時々いかにも信心深そうにその頭をさげていました。」

これはハイネがある寺院にお詣りした時の様子として。
また、『伊太利紀行』には、こんな文章も出てきます。

「二人共美しいお国風の着物を非常に可愛げに着て緑色の尖ったリボン飾りのついた帽子をかぶっていました。」

これはハイネがチロルで観た少年少女の着こなしとして。もしかしてクラウンの尖ったチロリアン・ハットだったのでしょうか。
どなたかクラウンの尖ったチロリアン・ハットを作って頂けませんでしょうか。名前は「ハイネ」にしたいと思います。

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