カフェとカポーテ

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カフェは、コーヒーのことですよね。またコーヒーを飲ませてくれる場所のことでもあります。日本にもたくさんのカフェがあるでしょう。
また「カフェ」はいろんな国で使われている言葉でもあります。今やもうカフェは国際語ではないかと思われるほどです。
スペインでもカフェはカフェcafé になるんだそうですね。
「カフェ・カンターテ」は、「歌謡喫茶」でしょうか。ミルクコーヒーのことは、「カフェ・コン・レッチェ」。ブラック・コーヒーは、「カフェ・ソロ」で通じるんだとか。
昭和三年にスペインを旅したお方に、濱田耕作がいます。濱田耕作は考古学者。それも日本の考古学の父とも呼ばれている人物です。号は、濱田青陵。
その時の旅の記録は、『西班牙の旅』に収められています。

「夕暮アルカラの大通りから、ソルの広場辺りの人出の盛んなことは、恰も毎日祭日のようであって、カフェその他の盛り場の雑踏は凄じいものがある。

そのように書いてあります。これは当時のマドリッドでの様子として。

スペインのカフェが出てくる小説に『血と砂』があります。1908年に、スペインの作家、ブラスコ・イバニェスが発表した長篇。
この原作をもとに映画化されたのが、『血と砂』。ルドルフ・ヴァレンティノ主演の無声映画なのです。

「ガリャルドはカフェ・カンターテの舞台近くに陣取る時と同じように、ときどき声を放って、音楽を野次った。」

このファン・ガリャルドこそ、物語の主人公。人気の盛りの花形闘牛士という設定なのです。
また、『血と砂』にはこんな描写も出てきます。

「椅子の上から、ガラバートが、道中半合羽と称するものを取り上げた。」

これは「カポーテ」capote のことです。ファン・ガリャルドが試合のための衣裳を身に着けている場面なのです。
カポーテは、短い外套。袖のあるケープ。
どなたかカポーテを仕立てて頂けませんでしょうか。

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