エドガーで、作家で、ということになりますと。エドガー・アラン・ポオでしょうね。
エドガー・アラン・ポオは、1809年1月19日、ボストンのお生まれ。
でも、どうして「エドガー」と名付けられたのか。これはどうもシェイクスピアと関係があるみたいなんですね。
シェイクスピアの有名な悲劇に、『リア王』があります。1605年ころの作かと。『リア王』に、エドガー・グロスターという人物が登場。この人から、エドガーと。
エドガー・アラン・ポオのお父さんは、デイヴィッド・ポオ。お母さんは、エリザベス。そしてお父さんもお母さんも、舞台俳優だった。1809年に、ふたりとも『リア王』に。そんなことから、「エドガー」の名前を頂いたんでしょうね。
エドガー・アラン・ポオの名作に、『アモンティリャードの樽』が。もしかしたら、もっともよく知られて短篇かも。1846年に、ポオが発表した物語。今から170年前の小説なんですね。
『アモンティリャードの樽』が出てくるミステリに、『ナイト・マネージャー』が。ジョン・ル・カレが、1993年に発表した物語。
「彼は少年のころ、エドガー・アラン・ポオを読んで、『アモンティリャードの樽』の……」
「彼」とは、ホテルのマネージャー、ジョナサン・パインのこと。少年でポオを読むとは、早熟ですね。あるいはカレ自身のことかも。また、こんな描写も。
「エナメルのイブニング・シューズは、セメントで固めでもしたみたいに、客間の絨毯の深い毛足のなかにはまりこんでいる。」
これも、ジョナサン・パインの履いている靴のこと。夜で、ホテルだから、オペラ・パンプスを履いているんでしょう。
時には、パンプスを履いて。エドガー・アラン・ポオの本を開いてみましょうか。