短髪とカンカン帽

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短髪といえばいいのか、ショート・カットといえばいいのか。
ショート・カットがよく似合った女性に、アメリア・エアハートがいます。1920年代の、アメリカでの、女性飛行士。
1920年代のショート・カットは斬新だったでしょう。アメリア・エアハートは173㎝の長身痩躯。たいてい男物のチェックのシャツに、男物のパンツという恰好がお好みだったようです。
今、アメリカ全土にアメリア・エアハートの記念碑は二十数ヶ所に建っているそうです。アメリア・エアハートの人気ぶりが窺われるものですね。
アメリア・エアハートは1937年7月5日。無線で「SOS」を送った後、消えてしまったのです。その原因、その後の消息は現在も解っていません。謎です。どうしてアメリアは消えたのか。
アメリアが大西洋を飛行機で横断したのは、1928年6月17日のこと。15時間48分かけて。これこそ女性飛行士による初の大西洋横断となったのです。
1928年4月26日に神戸港を出航したのが、獅子文六。獅子文六、27歳の時。
1928年の7月。獅子文六はパリから、グルノーブルへ。夏の間、集中的にフランス語会話を習うために。獅子文六著『ベル・エポック』に、次のように書いています。

「新調のカンカン帽をかむってきたのを、どこにぬいで置くのかいろいろ迷ったあとで……」

これは若いフランス語会話の先生が教室に入って来た時の様子なんですね。1928年のグルノーブルで、若い先生がカノティエを被っていたことが分かります。そしてそれを汚れないように大切に扱っていたことも。
さて、カンカン帽を被りやすくするためにも、短髪にいたしましょうか。

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