サティとパッチ

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サティはもちろん、エリック・サティですね。
サティの曲はいつ聴いても、新しい。なんど聴いても新しい。なんだか音符が真空の宇宙に浮かんでいて、キラキラ光っているみたいで。
サティは十代の頃から作曲をはじめたらしい。サティの初期作品に、『アレグロ』があります。「アレグロ』を譜面にはサティの字で、「1884年9月19日 オンフルールにて」と、書かれているそうです。オンフルールはサティの生まれ故郷。オンフルールは北フランス、ノルマンディーの港町。
エリック・アルフレッド・レスリー・サティ。1866年5月17日。朝の9時に生まれんだとか。オンフルール、オート通り88番地で。
お母さんの名前は、ジェーン・レスリー・アントン。ロンドンで生まれたスコットランド人であったという。エリック・サティには、スコットランドの血が流れていたのでしょうね。
エリック・サティ最晩年の作曲に、『本日休業』があります。これは実験的バレエの中で使われたもの。マルセル・デュシャンやマン・レイなども出演して、話題となったものです。1924年、パリの「シャンゼリゼ劇場」で。
1924年に生まれたのではないか、と考えられているのが、カトリーヌ・アルレー。いくつかの誕生説があって、迷ってしまいます。カトリーヌ・アルレーが1960年に発表したミステリに、『目には目を』があります。この中に。

「ジャン・ド・フェルラックのほうは、鹿皮つきのフランネルを着込んでいる。」

ジャンはパリで鞣し皮工場を経営している富豪という設定。「鹿皮つきの……」。もしかしたら、エルボー・パッチでしょうか。フランネルの上着に鹿皮エルボー・パッチ。悪くないですねえ。

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