カルヴァドスとキャスケット

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カルヴァドスは、美味しいものですねえ。薫りが佳いし、爽やか。コニャックよりも気楽に飲める感じもあります。
カルヴァドスはごく簡単にいえば、りんご酒。りんごから造るものにシードルがあります。シードルをさらに蒸留すると、カルヴァドスに。
コニャックはワインを蒸留した造る。でも、シードルは仮にぶどうがなくても、りんごがあれば、カルヴァドスになるわけです、地域としては北のほうで、盛んに造られるものです。
日本でのカルヴァドスは粋な酒であるらしくて。たとえば森 瑶子の小説に、『カルバドスの女』があります。

「カルバドスを飲みながら、ヘミングウェイの『海流の中の島々』について語りあいたい方、ご連絡下さい」

「彼」はある雑誌のなかで、そんな記事を見つけて…………。

結論として「彼」はその記事に惹かれて、待ちあわせの場所に。詳しくは、小説をお読み下さい。まあ、そんな時にもカルヴァドスは使えるのでしょう。
カルヴァドスは北フランスの地名でもあります。ここで造られたカルヴァドスが、「カルバドス」と名乗れるわけですね。
カルヴァドスの中心に位置する町が、カーン。「カン」と呼ばれることもあるようですが。一時期、カーンの大学で学んだのが、ルブラン。フランスの作家、モオリス・ルブラン。もちろん、アルセーヌ・ルパンの生みの親。
モオリス・ルブランは、1864年12月11日。ルーアンに生まれています。そのためなのかどうなのか、モオパッサンを耽読したと、伝えられています。モオパッサンとルーアンとは切っても切れない関係にあります。育ったのは、エトルタ。ルパン物で成功したルブランは、エトルタにも別荘を構えたことがあるようですね。
モオリス・ルブランの代表作に、『奇巌城』があります。この中に。

「自動車の運転手がかぶるような、鹿毛色の皮製のハンチングを拾ったのである。」

この「ハンチング」も、事件を解く鍵のひとつなのですが。当時はだいたいかぶる帽子の種類で、その職業が分かったものですから。
もっとも「ハンチング」英国風。フランス風なら、「キャスケット」でしょうね。それにしても、淡いライト・ブラウンの、スゥエードのキャスケット、被ってみたいものですねえ。

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