ハーヴァードはまず第一に、ハーヴァード大学でしょうね。ハーヴァード大学はアメリカでもっとも古い歴史を誇る大学でもあります。また、もっともお金持ちの大学でも。
ケネディ大統領、ブッシュ大統領、オバマ大統領。みんなハーヴァード大学の卒業生です。アメリカでいちばん大統領になる確率の高い大学でもあるようです。
でも、その一方で、ハーヴァード大学を卒業したネイティヴ・アメリカンもいるらしい。それは、ケイレブ・チェーシャトゥーモークという青年。
ケイレブ・チェーシャトゥーモークは、1646年頃に、ワンパノアグ族のひとりとして、カパウォックに生まれています。ケイレブのお父さんはワンパノアグ族の族長だったという。
カパウォックは、現在はマーサズ・ヴィ二ヤード島の名前になっているそうですが。
今からはちょっと信じられないのですが、昔のハーヴァード大学には、「インディアン・カレッジ」があった。1656年に建てられています。1650年のハーヴァード大憲章に、「この地に住むイギリス人とインディアンの若者を教育すること」と定められているからです。
ケイレブは、1661年にハーヴァード大学に入っています。それからの四年間、ケイレブはギリシアとローマの古典を学び、1665年には卒業しているのです。
二十世紀になって、「インディアン・カレッジ」の跡を調べて、なかなか見つからなかったという。
ハーヴァード大学が出てくる小説に、『ある青年の冒険』があります。ジョン・ドスパソスが、1939年に発表した物語。
「ハーヴァード大学のセーターを着、うつむいておどおどカヌーからよろめき下りて来るブレイズに……………………。」
『ある青年の冒険』には、こんな描写もあります。
「カーキ色の狩猟服を着、ニッカボッカーをはいて………………………」。
これは、タルコット博士の着こなし。
いいなあ、ハンティング・ジャケット。せめてハンティング・ジャケットを着て、ハーヴァード大学の図書館に行く夢でも見るとしましょうか。