結婚とケンブリッジ・ブルー

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結婚は、マリッジのことですよね。フランスなら、マリアージュでしょうか。
男と女の結婚もあれば、ワインと食との結婚もあります。もちろん、ワイン用語でいうところの、「マリアージュ」であります。もし、日本語に近いものを探すなら、「相性」でしょうね。ワインと食との相性がよければ、お互いがさらに美味に感じられるので。
男と女の結婚について。

結婚する前は目を大きく見開き、結婚後はなかば閉じることだ。

これは、ベンジャミン・フランクリンの言葉。フランクリンが毎年出していた『貧しいリチャードの暦』に書いてあったそうです。「貧しいリチャード」は、ベンジャミン・フランクリンの変名。
1734年からの毎年。フランクリンは『貧しいリチャードの暦』を長く刊行。「貧しい」は英語の「プア」の訳ですから、「哀れな」とも置き換えることができるかも知れませんね。
『貧しいリチャードの暦』はもちろんカレンダーで。カレンダーではあるのですが、その余白に名言、至言などがちりばめられた作りになっていたのです。
このフランクリンの『貧しいリチャードの暦』はたいへん好評で、よく売れた。たいていのアメリカの一般家庭では、これを掛けていた。今でも、教養あるアメリカ人がうまい科白を引用するのは、『貧しいリチャードの暦』の名文句だったりするものです。
でも、私は実際に『貧しいリチャードの暦』を見たわけではありません。
「結婚する前は………………」。の金言は、『死はわが隣人』で、出会ったのです。『死はわが隣人』は、1996年に、コリン・デクスターが、発表したミステリ。この35章のエピグラフに、フランクリンの名言が掲げられていたのであります。
コリン・デクスターの『死はわが隣人』は、長篇。全部で、68章もあります。が、その68章すべてにエピグラフが添えられているのです。しかも、章によっては二つのエピグラフが載っていたりしますから、軽く70を超える数のエピグラフがちりばめられていることになりますね。
コリン・デクスターは、エピグラフ好きのお方なんでしょう。エピグラフが、「碑文」とか「銘文」といった意味で、寸鉄釘をさす類いの名文句の意味ですね。
『死はわが隣人』には、こんな描写も。

「モースはまだひげも剃らず、薄紫とケンブリッジ・ブルーのパジャマを着ていた。」

モースは主任刑事で、物語の主人公という設定。ケンブリッジ・ブルーは、ライト・ブルーの一種です。
オックスフォード・ブルーが、ダーク・ブルーであるのと、好対照になっています。
作者、コリン・デクスターはケンブリッジ大学の卒業。ということは、モース主任刑事もまた、ケンブリッジ大学を卒えているのでしょうか。
それはともかく、ケンブリッジにせよオックスフォードにせよ、それらの大学に対する愛校心には、なみなみならぬものがあります。
さて、愛妻心はどうなのでしょうか。

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