モードは、ファッションのことでもありますよね。
主にフランスで、モード m od e、英語ではファッション fash on が用いられる傾向にあるようですね。
ファッションに欠かせないものに、ファッション・モデルがあります。フランス語なら「マヌカン」 mannequin でしょうか。
昔の日本ではマヌカンのことを「マネキン」と呼んだものです。今でもマネキン人形というではありませんか。
日本での「マネキン」は、大正十四年にはじまっているとのことです。
大正十四年十月。上野公園で「電気博覧会」が開かれて。「マツダランプ」などが、「小西道子」、「西村明子」などをマネキン・ガールとして起用したという。
余談ですが。フランス語のマヌカンを「マネキン」にしたのは、「資生堂」の、白川 某だったと伝えられています。客を「招ぬかん」では困るので、「招ねきん」の意味を込めたんだとか。
戦前のフランスにはたくさんのモード雑誌がありました。「ヴォーグ」をはじめ、「バザー」などのモード誌が綺羅星のごとく並んだいました。
その中のひとつに、「ジャルダン・デ・モード」があったのです。「おしゃれの園」とでも訳せば良いのでしょうか。
この「ジャルダン・デ・モード」が出てくる小説に、『細雪』があります。谷崎潤一郎の、傑作。
「……………ジャルダン・デ・モードやヴォーグなどと云う外国の雑誌を参考にして……………。」
これは「妙子」が自分でミシンを踏んで、洋服を縫う場面なんですね。当時のモード雑誌には、型紙が添えられていることが多く、気に入って洋服があれば、自分で仕立てることも、珍しくはなかったのです。
谷崎潤一郎著『細雪』には、こんな描写も出てきます。
「……………海水帽にもんぺをはいて、芝の間に繁殖するぺんぺん草や……………。」
これは「貞之助」が草むしりをする場面。
『細雪』での「解説」によれば。もんぺは昭和十年に「鐘紡」が売り出したものなんだそうです。
もんぺのそもそもは、江戸時代の細袴で、「野袴」とも呼ばれたらしい。
細身の袴。もう一度復活させてもらいたいものです。
どなたか絹のもんぺを仕立てて頂けませんでしょうか。今の、室内着に最適だった思うのですが。