カジノとカルディガン

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カジノは、賭博場のことですよね。casino  と書いて「カジノ」と訓むんだそうですが。もとはイタリア語で、「小さな家」の意味だったという。
カジノがあることで有名なのが、ドイツの温泉地、バーデンバーデン。とにかく、豪華絢爛。かのマルレエネ・ディーとリッヒが。
「世界でもっとも美しいカジノ」
そんなふうにおっしゃったらしい。
このバーデンバーデンからも遠くはないのが、ホンブルク。例の「ホンブルグ」が生まれた場所でもあります。

「カジノもある。小ホテルも並ぶ。その一軒の前に来ると、仏人は云った。
 「入りましょう」

1930年に、芹沢光治良が発表した『ブルジョア』にそんな一節が出てきます。ここでの背景は、スイスになっているのですが。

「………どこかのカジノへ行って、ルーレットやバッカラの賭けに大きく勝って帰る時に限って………」

大佛次郎が、1948年に発表した『帰郷』にそんな文章が出てきます。戦前のマラッカを背景にした物語なのですが。

「公園のカジノは例年より二週間早く閉じられ、九月の終りだというのに、青白く星が光り………」

1936年に、ジョルジュ・シムノンが書いた『ドナデュの遺言』に、そのような一節が出てきます。
また、『ドナデュの遺言』には、こんな描写も出てくるのですが。

「黒のカーディガンのえり元のボタンをかけながら引っこんだ。」

これはホテルの案内係の様子。
カーディガン。フランスなら、「カルディガン」でしょうか。
どなたかフランスふうのカルディガンを編んで頂けませんでしょうか。

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