ブルーとブレイザー

Share on FacebookTweet about this on TwitterShare on Google+Email this to someone

ブルーは、青のことですよね。blue と書いて「ブルー」と訓みます。
ブルースといえば音楽ですが。これも、もともとは色のブルーと関係しているんですね。

🎶 森と泉に かこまれて 静かに眠る

『ブルー・シャトー』、流行りましたね。1967年のヒット曲。「ブルー・コメッツ」の歌だった記憶があります。

1926年に、モンゴメリが発表した小説に、『青い城』があります。

「コニー・ヘイルとケイト・ベイリーは真新しいピンクのオーガンディーの服を着て………」

そんな一節が出てきます。青い城に、ピンクのオーガンディー。とてもお似合いですね。

青から想像する言葉に、「青貝」があります。ここでの「青貝」は、実は螺鈿のことなのです。
美しい貝殻を細かく砕いて、何層にも塗り重ねる技法のこと。「青貝師」はそのための職人をいったものです。

柳ぬれし 今朝門すぐる 文づかい 青貝ずりの その箱ほそき

与謝野晶子が、明治三十四年に発表した『みだれ髪』にも、そんな句が出てきます。
与謝野晶子もまた、青貝の小箱を持っていたのでしょうか。

「瑪瑙の釘隠し、青貝のたるき鼻、真綿入りの畳に、天鵞絨の縁を付け………」

井原西鶴の『日本永代蔵』にも、そんな描写が出てきます。これは家の建て方について。これ以上はない贅沢な普請の中に。
江戸期の「青貝」はまず長崎に送られて、そこから異国に輸出もされていたという。

ブルーが出てくるミステリに、『サムソン島の謎』があります。1954年に、イギリスの作家、アンドリュウ・ガーヴが発表した物語。

「………白いカラーをのぞかせたブルウのサージの服を着て、ボタンホールにさくらそうを一輪さしこんだ、日焼けしたひとりの男に出逢った。」

また、『サムソン島の謎』には、こんな一節も出てきます。

「………仕立てのよいツイードの服に身を包んだ若々しい男が、ブレザー・コートの白髪の老人と鳥類の観察について論じ合っていた。」
老人のブレイザー。いいですね。これもたぶんダーク・ブルーだったでしょう。
どなたかダーク・ブルーの絹のブレイザーを仕立てて頂けませんでしょうか。

Share on FacebookTweet about this on TwitterShare on Google+Email this to someone