ショックとシャモア

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ショックは、驚きのことですよね。とてもびっくりすることであります。
この「ショック」もまた、おしゃれと無縁ではありません。「ショッキング・ピンク」というではありませんか。
ショッキング・ピンクは、イタリア出身で、巴里で活躍したデザイナー、エルサ・スキャパレリがその名づけ親です。
エルサ・スキャパレリはショッキング・ピンクだけでなく、とにかく人を驚かせることが大好きなデザイナーだったとも言えるでしょう。
エルサ・スキャパレリは1890年9月10日。ロオマの富豪の館に生まれています。エルサは、彼女の乳母の名前だったとも伝えられているのですが。
そして彼女の伯父さん、ジョバンニ・スキャパレリは、有名な天文学者でありました。ジョバンニ・スキャパレリはミラノに住んでいたのですが。このジョバンニからは、いつも夢見ることを教えられたという。
エルサ・スキャパレリが巴里に移ったのは、1922年のことだったのです。この巴里でエルサ・スキャパレリが出会ったひとりが、「マイク」。女性のニット・デザイナー。
エルサは胸元にリボンを結んだデザインのスェーターを編んでもらって、好評。つまりニットにおける「トロンプルイユ」の創始者となったのですね。
今のファスナーを女性のドレスに最初に採り入れたのも、エルサ・スキャパレリだったのです。

ショックが出てくる短篇に、『クレイジー・サンデー』があります。1932年に、フィッツジェラルドが発表した物語。日本語訳者は、村上春樹。

「 ー とても激しいショックを受けたのです。すぐにこちらに来ていただきたいのです。」

ある事故が起きて、その電話での報告として。また、『クレイジー・サンデー』には、こんな描写も出てきます。

「心持ちハイネックのイタリアン・カラーのセーターに、短い褐色のシャモアのコート。」

これは「ステラ」の着こなしとして。
「シャモア」chamois は、山羊に似た高山動物。
「スイスレイヨウ」と呼ばれることもあります。薄く、しなやか革にもなる動物です。
シャモアのような稀少な素材を好むのもやはり人間の自己主張のあらわれなのでしょう。

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