御祝とオーヴァーコート

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御祝は、なにかめでたいことを祝う会のことですよね。たとえば結婚披露宴なんてのもあるでしょう。あるいはまた、誕生祝いの会だとか。
「新調祝い」が出てくる短篇に、『外套』があります。新しくオーヴァーコートを仕立てたので、その祝いをしようというわけですね。
余談ではありますが。ゴーゴリの『外套』は、名作。

「我われは皆、ゴーゴリの『外套』から生まれてきたのだ。」

かのドストエフスキーは、そのように言ったと伝えられています。
『外套』は、1840年に、ゴーゴリが発表した物語。主役はむしろ「外套」だと言って良いかも知れません。

「ヴィネグレトというサラダ、仔牛のコールド・ビーフ、ペースト、甘いパイ、シャンパンという献立でした。」

これは「新調祝い」の夕食として。

「しかし皆はすでに彼に気づき、歓声で迎え、同時に誰もが玄関に行き、またもや彼の外套を眺めたものです。」

うーん。「新調祝い」、ぜひ広めて頂きたい習慣ですね。
新しくオーヴァーコートを仕立てたのは、アカーキー・アカーキエィヴィッチ。それを仕立てた洋服屋が、ペトローヴィッチ。ペトローヴィッチはどんなふうにしてオーヴァーコートを仕立てたのか。

「絹糸で細かい二重の縫い目でしっかりと仕上げ、さまざまな形を整えながら、すべての縫い目にペトローヴィッチは自分の歯を当てたのですから無理もありません。」

ペトローヴィッチはこの上なく、丁寧に、頑丈に縫いあげたのでしょう。

オーヴァーコートは、上着の上に重ねるものだから、「オーヴァーコート」。つまり、上着を守るのも役目のひとつなのです。
オーヴァーコートのボタンはしっかり上まで留める。上着が見えないように。黒のオーヴァーコートからパール・グレイのスーツがあらわれたなら、より印象的ではありませんか。

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