スクリューは螺旋のことですよね。スクリューが船を想わせるのに大して、プロペラは飛行機を想像させます。
また、スクリュードライバーは、「ネジ回し」のことです。もっともカクテルにも「スクリュードライバー」がありますが。オレンジ・ジュースをウオトカで割ると、スクリュードライバーになります。口あたりがいいので、ついつい飲めてしまいます。後で「ネジ回し」のように効いてくるという意味なのでしょうか。
スクリューが出てくる小説に、『不如帰』があります。明治三十二年に、徳冨蘆花が発表した長篇。
「………螺旋の波をかき、大なる心臓の拍つが如く小止なき機関の響の艦内に満てるのみ。」
徳冨蘆花は「螺旋」と書いて、「すくるう」のルビをふっています。
また、『不如帰』には、こんな文章も出てきます。
「………赤襯衣君、君は川島と親しくするから恐らく秘密を知つとるだらうね」
徳冨蘆花は「赤襯衣」と書いて、「ガリバルジー」のルビを添えているのですが。その航海士がいつも赤シャツを着ているので。
スクリューが出てくる小説に、『卑しい肉体』があります。1930年に、英国の作家、イーヴリン・ウォーが発表した物語。
「スクリューは波間から顔を出しては潜り、空転したり水をかきまわしたり………」
これも船の上なので、スクリューが付いているのは、当然でしょう。
また、『卑しい肉体』には、こんな描写てんも出てきます。
「店内でもっとも洒落た男二人は、夜会服に黒いスエード靴を合わせていた。」
イーヴリン・ウォーの『卑しい肉体』を読む限り、これによって当時、燕尾服に黒のスゥエード靴を履くのが、流行ったとのことです。
どなたかスゥエードのパンプスを作って頂けませんでしょうか。