ラテンとラスティング

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ラテンは、ラテン語のことですよね。そう簡単に決めつけてよいかどうかはさておき、まず最初に「ラテン語」を思い浮かべるのではないでしょうか。
ラテン語は古代ロオマ帝国で用いられていた日常語なんだそうです。まあ、その意味では「古語」なのでしょう。私たちが学校で「古文」を習うように、西洋の生徒はラテン語を古文として勉強することがあるんだとか。
古代ロオマ帝国の遠征によって、ラテン語は広くヨオロッパに影響を与えたそうですね。たとえば、イタリア語。
イタリア語でシャツのことを、「カミチア」camicia 。これはラテン語の「カミシア」camísia から来ているんだそうです。
英語に「ベルト」belt があります。これもラテン語の「バルテウム」balteum と関係があるらしい。
香水はフランス語で「パルファン」。これもまた、ラテン語の「ペル・フウム」per
fumeが語源なんだとか。「煙を通して」の意味。昔は、香木を炊いて、佳い薫りを得たからです。
ミステリに欠かせい言葉に、「アリバイ」があります。これはラテン語の「アリウス・イビ」alius ibi がもとになっているのですね。
今もパリに行きますと、カルティエ・ラタンがあります。「ラテン区」。その昔、インテリが多く住んで、ラテン語で会話していた地区なんだそうです。
バチカン市国。バチカンでは今なおラテン語が公用語になっているとのことであります。

フランスの作家、ギュスターヴ・フロベエルはラテン語をどんなふうに考えていたのか。

「広場の噴水盤にか刻まれた文句を読むときだけ役立つ。」

名著『紋切型辞典』の「ラテン語」の項目に、そのように定義しています。
フロベエルが、1880年に書いた小説に、『ブヴァールとペキュシェ』があるのは、ご存じの通り。この中に。

「ラスティング地の管のようなズボンの中におさまった彼の脚は、長い胴と釣合いが取れなかった。」

これは「ペキュシェ」の様子として。
「ラスティング」lasting は、生地の一種。ウールとコットンの交織地。縦にウール、横糸に綿糸を配した、丈夫な生地のこと。
昔は、ラスティングの女性用の靴もあったそうです。
どなたかラスティングのスーツを仕立てて頂けませんでしょうか。

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