ビルとびろうど

Share on FacebookTweet about this on TwitterShare on Google+Email this to someone

ビルは、ビルディングのことですよね。三階建てのビルもあれば、五階建てのビルもあります。理論上は何階建てまでが可能なんでしょうか。
千階建てのビルがあるといいでしょうね。最上階に住むと、毎日がお月見。たぶんうさちゃんと一緒に餅つきもできるでしょう。

🎶 空を見たけりゃ ビルの屋根

1950年の、美空ひばりの『東京キッド』に、たしかそんな歌詞がありましたね。映画『東京キッド』の主題歌でもありました。
1950年に発表された小説に、『最上川』があります。作家の、外村 繁の短篇。

「今日はよいお天気で、ビルの三階の窓から、麻布や赤坂の高台の木立ちが、ひどく間近かに見えます。」

これは「素子」からの手紙の一部として。また、『最上川』には、「素子」の服装についても書かれています。

「………そこに麻の上衣、だんだら縞のビーチシャツに、焦茶のボヘミアンタイを締めた、素子が立っていた。」

これは当時の新橋駅前でのこと。

ビルが出てくる小説に、『歯車』があります。昭和二年に、芥川龍之介が発表した短篇。芥川龍之介は同じ昭和二年に世を去っていますから、最晩年の作品でもあるのでしょう。

「………僕は或ビルディングへはいり、昇降機に乗って三階へのぼった。」

これは物語の主人公がレストランに行こうとして。
また、『歯車』には、こんな描写も出てきます。

「彼は不相変天鵞絨の服を着、短い山羊髯を反らせていた。」

ここでの「彼」は、主人公の先輩にあたる藝術家。
芥川龍之介は「天鵞絨」と書いて、「びろうど」のルビを添えています。
もしかして「彼」は、ボヘミアン・タイを結んでいたのではないでしょうか。
深い紫のびろうどの上着。どなたか仕立てて頂けませんでしょうか。

Share on FacebookTweet about this on TwitterShare on Google+Email this to someone