エイプリルとエシャルプ

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エイプリルは、四月のことですよね。「エイプリル・シャワー」というではありませんか。四月に降る小雨のこと。
april と書いて「エイプリル」と訓みます。これはラテン語の「アプリリス」aprīlis
と関係があるんだとか。その意味は、「開く」。花開く時期が四月ということなのでしょうか。
四月一日は、エイプリル・フールということになっています。今も、たいていの国にエイプリル・フールの習慣が遺っているようです。
たとえば、スコットランドでは、「ゴオク」gowk 。これはエイプリル・フールの意味になるんだとか。もともとの意味は、「カッコウ」のことなんですがね。

昔むかし、『ニッポン・タイムズ』の記事にこんなのがあったという。ニッポン・タイムズは後の『ジャパン・タイムズ』なのですが。
昭和三十年四月一日の新聞に。でかでかと。

「ロシアの爆撃機。羽田に不時着。」

他の新聞や警察でもまだこの情報を得ていない。皆、大騒ぎになって。
但し、この記事には署名がありまして。
「Shigatsu Umashika」
これでおよその見当がついたんだそうですが。

エイプリル・フールが出てくる通信に、『椋鳥通信
』があります。
『椋鳥通信』は、明治四十二年から、当時の雑誌『昴』に連載された讀物。署名は、「無名氏」。でも、実際には森 鷗外が書いていたのですが。
『椋鳥通信』は、海外の新聞雑誌からの抜き書き通信といった印象のものです。面白い。とても面白い内容になっています。

「西洋には、四月の洒落といふいたづらがある。それは四月一日には、人をかついでも好いといふのである。」

ここから想像するに、明治末期にはまだ、エイプリル・フールの習慣は定着していなかったのでしょうね。
『椋鳥通信』には、こんな記事も出ています。

「肩掛はクレエプ・ド・シイヌに金絲の縫箔といふやうなのが多い。名づけてエシャルプといふのである。」

「エシャルプ」echarpe は、「マフラー」のことでしょうか。スカーフのことでしょうか。つまりは、襟巻のことであります。
どなたか金糸の縫い取りのあるスカーフを作って頂けませんでしょうか。

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