シシャモは、小魚のひとつですよね。一見、わかさぎにも似ていますが、やはり別の魚であります。
シシャモを漢字で書くと、「柳葉魚」。これで「シシャモ」と訓むわけです。柳の葉に形が似ているから。
でも、ほんとうは、アイヌ語の「シュシュハム」から出た言葉。シュシュハムはアイヌ語で、「柳葉」の意味なんだとか。
昔むかし、アイヌの神様が柳の葉の散るのを悲しんで、魚に変えたという伝説があります。
そして、もうひとつの神話としては。ある時、神様が下界に降りて来て。コタン(村)に食物がないことを識る。そこで急いで、柳の葉を魚に変えたんだとか。
いずれにしても、シシャモとアイヌとは、深く結びついているようです。
昔のアイヌでは、十一月になると、産卵のためにシシャモが川に上がってくる。川の色を変えながら。それも毎年、特定の川にしか遡上しない。やはりシシャモは神の使いなのでしょうか。
シシャモにも雌雄があって。もちろん、雌の方が美味。子を持っているので。
シシャモが出てくる随筆集に、『重箱の隅』があります。五木寛之のエッセイ集。
「以前はちょっとしたカウンターのバーなどでは、やたらとシシャモを出したものだ。なんだか、シシャモを出せばセンスのある店みたいな感じで、必ず出た。」
五木寛之はそんなふうに書いています。たぶん、国産のシシャモがたくさん獲れた時代なのでしょう。
五木寛之の『重箱の隅』には、こんな話も出てきます。
「いちど洗ったら、なおいい気分で着られるようになった。二度、三度と、クリーニングする度に、しなやかで着心地のいいシャツになってくる。」
これはとある友人から贈られたシャツについて。うーん、ほんとうはすべてのシャツがそうあって欲しいのですが。
もし、何度も着て気に入ったシャツがあったなら。そこから型紙を起こしてもらうのは、賢明な方法でしょう。
どなたか身体にフィットして心地良いシャツを仕立てて頂けませんでしょうか。