オレガノとスモーキング

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オレガノはハーブのひとつですよね。たとえばピッツアなんかにもよく使われます。そもそもトマトと相性がいいんでしょう。
オレガノは古代ローマ時代からすでに使われていたんだとか。古代ローマの美食家、アピキウスの料理本にも、オレガノが紹介されているとのこと。
アピキウスは豚肉を美味しく食べようと。せっせと豚に干イチジクを与えたという。
オレガノは食欲をそそるためのハーブですが、薬効があると信じられてきた植物でもあります。健胃、解熱剤など。
オレガノをオリーヴオイルに漬けておいて、自分用の「オレガノ・オイル」を作っておくのもひとつの方法かも知れませんね。トマトを薄切りにして、焼いて。その上にオレガノ・オイルをかけるだけで、前菜ふうにもなったり。
余談ですが。ギリシアの哲学者だったソクラテスは、食事前に運動をした。それがソクラテスなりの食欲増進策だったようですね。
オレガノの香りだけでも、食欲増進になること、間違いありませんが。
アメリカだ急激にオレガノの消費量が高まったのが、1949年のこと。それ以前にはオレガノはほとんど使われることなく、1949年に、突然、大量に。
これは第二次大戦と関係があって。イタリア戦線に出た兵士たちがオレガノの味を覚えて、帰国したからなんですね。とにかくアメリカでのオレガノにとっては、1949年が画期的な年であったわけです。
1949年に発表されたミステリに、『十日間の不思議』が。エアラリ・クイーンの物語。この中に、ちょっとした言葉遊びが出てきます。

「この服を捨てろっていうんですか? これはぼくのライティング・ハビットですよ」

これはもちろん探偵役のエラリイ・クイーンの科白。お父さんの、リチャード・クイーンにこう言われて、シャレで返す場面。

「お前はまたその古ぼけたスモーキング・ジャケットを着ているな!」

これは「ライディング・ハビット」 (乗馬服) を、「ライティング・ハビット」 ( 執筆服 ) にかけての、言葉遊び。実際には、スモーキング・ジャケットなんですが。
いつの日か。スモーキング・ジャケットを着て。オレガノ風味の料理を食べたいものですが……。

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