ガレットはまあ、焼菓子のことですよね。
焼菓子ということになりますと。たぶんその歴史も古いんでしょう。
古代人も、なにか穀物を粉にして、水で練った。それを焼いた石の上に置くと。ある種の焼菓子になったでしょうから。
ガレットにも、いろんなのがあるみたいですね。たとえばフランスには、「ガレット・ド・ロア」が。そのまま日本語にすれば、「王様のガレット」でしょうか。
でもこの場合の「王様」は、「東方の三博士」のこと。聖書に出てくる話。ある寒い冬の夜に。東方の三博士は、不思議な赤い星を見つける。で、その赤い星を追って、ラクダに乗って旅に出る。
出発してから、十二日目の1月6日に。ベツレヘムの馬小屋の上に、その赤い星を発見。もちろん、イエス・キリストの誕生ですね。そこで三博士は、誕生を祝っての贈物を。黄金、乳香、没薬の宝物を。
このために毎年の1月6日は、公現祭 ( 主顕節 ) とも呼ばれるわけですね。そしてこの日の夜に食べるのが、「ガレット・ド・ロア」。ガレット・ド・ロアは、ふつうアーモンドを使ったパイ生地での焼菓子。
ガレット・ド・ロアにそっと隠されているのが、「フェーヴ」。フェーヴはもともと「豆」だったという。でも、今は小さな陶製の人形になっています。ガレット・ド・ロアを切り分けて、自分の分にフェーヴが入っていたら。その夜の「王様」、「女王様」になるという遊びがあります。
ガレット・ド・ロアではありませんが、ペッパーカーカー。ペッパーカーカーは、北欧、スウエーデンの焼菓子なんだそうです。ジンジャーとシナモンとで味つけしたガレット。これもスウエーデンのクリスマスに欠かせないものだとか。
原題が、「ペッパーカーカーの家」となるミステリに、『お菓子の家』が。2008年に、カーリン・イェルハルドセンが発表した物語。この中に。
「今回家を出る時、ショーベリはマフラーを忘れなかった。」
コニー・ショーベリは、スウエーデン、ハンマルビー署の警視という設定。サッカーの応援をするために、家を出る。サッカーの応援には、それぞれ贔屓のチームカラーのマフラーをする、という話へとつながっていくのですが。
さて、なにか明るい色のマフラーをして。美味しいガレットを探しに行くとしましょうか。