エドガータウンとソックス

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エドガータウンという場所があるんだそうですね。
アメリカ、マサチューセッツ州、デュークス郡マーサーズ・ヴィニヤード島に。
エドガータウンの家の数、約4千軒。人の数、約3千800人。それほど大きな町ではありません。
今はひっそりとした避暑地。昔は捕鯨基地として栄えたという。
1943年のひと夏をエドガータウンで過ごしたのが、モオム。モオムは1942年にも、エドガータウンに行っています。
1943年の夏。どうしてモオムはエドガータウンに行ったのか。モオムは作家で、ある小説の仕上げをしようとして。で、モオムなりにいろいろと調べて、エドガータウンが理想的となったのですね。モオムは、エドガーの「コロニアル・イン」に滞在した。
「コロニアル・イン」でのモオムの暮らしぶりはどうだったのか。
朝ははやく起きて、原稿に向う。朝食は、ルームサーヴィスを。午前中、執筆。昼に、「コロニアル・イン」の食堂でランチ。ランチの後、部屋に戻って、昼寝。昼寝が終わると、水着姿になって、歩いてビーチに。
では、ふだんのモオムはどんな恰好だったのか。

「スラックスとフラノ地のシャツ、古いブルーのブレザーの上衣である。」

ガーソン・ケーニン著『モームの想い出』には、そんなふうに書いています。ガーソン・ケーニンは、ハリウッドの映画監督。たぶんそんなことから、モオムとも知り合いだったのでしょうね。
ところでモオムはエドガータウンで何を書いていたのか。『かみそりの刃』。『かみそりの刃』は、アメリカ、エドガータウンで完成したのです。1944年、『かみそりの刃』出版されて、好評。この中に。

「で、君を見ていると、リールなどにはとてもない芸術、ロマンス、等など……」

これはパリとリールとを較べている場面。リールは、「ライル」のこと。昔、フランスのリールでは、主に靴下用の、極上の糸が作られた場所なんですね。
さて、お気に入りのソックスで。いつか、エドガータウンに、行ってみたいものですが……。

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