ビルと帽子

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ビルという名の人も多いのでしょうね。
たとえば、バッファロー・ビルだとか。バッファロー・ビルは、通称。本名は、ウイリアム・フレデリック・コディ。バッファロー・ビルとして有名になったのが、「ワイルド・ウエスト・ショウ」なんですね。まあ、サーカスの西部劇版といえば近いでしょうか。
ワイルド・ウエスト・ショウは、1883年頃にはじまっています。ネブラスカ州の、ノース・プラットで。ワイルド・ウエスト・ショウの花形が、アニー・オークレー。若い女性なんですが、射撃の名人。トランプのカードを見事に打ち抜いたという。ここから今に「アニー・オークレー」には、「無料切符」の意味があるんだそうですね。
あるいはまた、クレイ・マックコニガルという男がいて。この人、暴れる牛を取り押さえる達人。わずか17秒で、牛にロープをかけたそうです。
それから、ワイルド・ビル・ヒコックも。本名、ジェイムズ・バトラー・ヒコック。この人も「ワイルド・ウエスト・ショウ」の、射撃の名手だったとか。
1936年の映画『平原児』は、このワイルド・ビル・ヒコックにヒントを得ているんだそうですね。
ウイリアム・アイリッシュの短篇に、『ワイルド・ビル・ヒカップ』が。もちろんヒコックをもじっているわけです。この物語の中に。

「わしの帽子を撃ちとばしおったのじゃ。それも買いたての二ガロン・ハットの新品をだぞ。」

これは物語の語り手の、医者の科白。テンガロンほどは大きくない、という洒落なんでしょう。
洒落た帽子を被って。ビルと呼びたい男を探しに行きましようか。

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