イカロスとパナマ

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イカロスははじめて空を飛んだ少年ですよね。もっともギリシア神話に出てくる話なんですが。
イカロスのお父さんが、ダイダロス。ダイダロスはもともと、大工。大工なんですが、手先が器用で、発明家でもあった。で、イカロスに羽根を与えたんですね。
ダイダロス Daedalus は、ラテン語ふう。これを英語ふうに訓むと、「ディーダラス」に近くなるんだとか。
ディーダラスが出てくる小説が、『若き芸術家の肖像』。1916年に、ジェイムズ・ジョイスが発表した物語。ここに出てくる主人公が、スティーヴン・ディーダラス。著者の分身と考えて良いでしょう。
ジェイムズ・ジョイスはギリシア神話が好きだったようで。たとえばこれまた代表作のひとつ、『ユリシーズ』もそうですね。
『ユリシーズ』は、六月十三日、たった一日の出来事をありとあらゆる手法で描いた傑作。ただしジョイスに言わせると、「ありとあらゆる出版社に断られた小説」とも。
それで仕方なくパリで、出版。「シェイクスピア・アンド・カンパニー書店」から。1922年2月2日のこと。
1922年に発表された小説に、『モナ・リザの微笑』が。オルダス・ハックスリーもミステリ風物語。この中に。

「ハトン氏は両脚を投げ出し、椅子を傾けて、パナマ帽をあみだにかぶり、遠足に来たような気分になろうとつとめていた。」

白い、細い、パナマ帽には憧れますね。
パナマを被って、イカロス少年の気分を味わいたいものですが。

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