右とアイロン

Share on FacebookTweet about this on TwitterShare on Google+Email this to someone

右は左ではない方のことですよね。
右があるから、左があります。ふたつ揃って、左右というわけです。「さあ、さあ、右や左の旦那さま……」。なんてことを昔は言ったものです。
ふつうネジなんかも右にまわすと、締まる。左にまわすと、緩む。これは世の中、右利きの人が多いことと、関係しているのでしょうね。
右巻きがあれば、左巻きもあって。これは植物の蔓の話。右巻きの蔓も、左巻きの蔓もあります。これと同じように、糸にも右撚りと、左撚りとが。
糸を撚るには右撚りが多い。これを俗に「S撚り」。糸の姿が「S」の字に思えるから。時には左撚りもあって、「Z撚り」。もちろん糸の流れが「Z」の字に似ているからです。
あるいはまた、右回りと左回り。「時計回り」、「反時計回り」などと呼ばれることもあります。

「めいめいが自分のグラスに注いで必ず時計回りに次に回す。私も最初のうちは方向を間違えそうになったが、その時の先生の慌てようを見ると何かその方向に意味があるように思えた。」

徳仁親王著『テムズとともに』の一節です。これは皇太子殿下がオックスフォード大学に留学中の話。食事が終わって、食後酒の時間に。たとえばポートの壜を回す方向が決まっているんだそうですね。
皇太子殿下がオックスフォード大学に学ばれたのは、1983年から約二年間。この二年間はごく一般の学生生活を送られたという。

「留学中は自分の物はすべて自分でアイロンをかけた。オックスフォードならではの経験である。」

皇太子殿下はオックスフォードでさぞかしアイロンの腕をあげたに違いありません。
そうそう、シャツにアイロンをかける時。必ず右から左へと動かすのが、コツ。左手で一歩の端をしっかり持ち。右手のアイロンを常に、右から左へ。
これ、なんかうまい表現、ありませんかねえ。

Share on FacebookTweet about this on TwitterShare on Google+Email this to someone