スコットランドとフィット

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昔のスコットランドで人気のあった英国王が、ジョージ四世なんですね。
1822年の夏。ジョージ四世になったばかりの英国王は、スコットランドへ旅立っています。海路、船で、リースをめざしたのです。
このジョージ四世が乗った船の港にウイスキーの醸造所があった。それで「ジョージ四世」という名前のウイスキーが生まれたとの話があります。これもまた、英国王、ジョージ四世のスコットランドでの人気を物語るものでしょう。
では、どうしてジョージ四世はスコットランドで人気があったのか。
1822年。ジョージ四世が各クランの長と謁見する時、上から下まで、スコットランドの民族衣裳に身を包んでいたからです。ホリールードハウス宮殿での謁見に。そもそもハノーヴァー家としては最初のスコットランド訪問でもあったのですが。
ジョージ四世にスコットランド衣裳を着るように進言したのが、サー・ウオルター・スコットでありました。
1822年のジョージ四世のタータン衣裳は、今に肖像画として遺されています。スコッチ・ボンネットを被り、完璧なるスコットランド衣裳の着こなしになっているのです。
自由奔放に生きたジョージ四世が世を去ったのが、1830年6月26日。1830年6月27日の『ザ・タイムズ』は、「これでホッとした……」という内容の異例の記事を書いたそうですが。
1830年、フランスで出版されたのが、『赤と黒』。もちろん、スタンダールの傑作。この中に。

「「新しい服を着たので、窮屈なのです」とジュリアンは答えた。」

言うまでもなく、主人公のジュリアン・ソレルの科白。これは「デュラン」という生地屋で新調したばかりの上着についての感想。服はある程度、フィットが大切なんですね。
さて、適度にフィットした服を着て。スコットランドに行きたいものですが。

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