イライザとダブル

Share on FacebookTweet about this on TwitterShare on Google+Email this to someone

イライザはもう説明の必要がありませんよね。
イライザ・ドゥーリトル。
コヴェントガーデンの花売り娘ですね。ジョージ・バーナード・ショオの『ピグマリオン』に出てくる花売り娘。
ショオがいピグマリオンを書いたのは、1912年。初演は、1913年10月16日。ウイーンで。
ロンドンでの初演は、1914年4月11日。イライザを演じたのは、パトリック・キャンベルだと、記録されています。「キャンベル」の姓はたぶんスコットランド系でしょう。
ジョージ・バーナード・ショオは、アイルランドの生まれ。でも、ショオの家系を辿ると、スコットランド。十七世紀末に、スコットランドからアイルランドに移って来たんだそうですね。
それはともかく。舞台が開いてすぐのイライザの衣裳は、ト書きにこんなふうに説明されています。

「黒麦わらの小さな水兵帽をかぶっている。」

うーん。「黒麦わらの小さな水兵帽」。いいですねえ。
もちろん『ピグマリオン』の芝居が、後に映画化されて、『マイ・フェア・レディ』になるんですね。
ジョージ・バーナード・ショオが世を去るのが、1950年9月10日。94歳でした。
1950年に発表された小説が、『くろい潮』 ( くろの漢字が探せませんでした) 。井上 靖の社会派小説。この中に。

「いつも身綺麗にしているお洒落な彼は、こんな場合でも、白のダブルの上着の釦をきちんと掛け……」

これは筧という新聞記者の着こなし。
なにかダブルの上着を着て。二十一世紀のイライザを探しに行くとしましょうか。

Share on FacebookTweet about this on TwitterShare on Google+Email this to someone