カルダンとジレ

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カルダンで、デザイナーでとなれば、ピエール・カルダンでしょうね。
カルダンはフランス人。そう言って良いのかも知れません。カルダンは、1922年に。イタリアに生まれています。でも、1926年に、一家でフランスに移っています。カルダンが幼稚園の時に。
ピエール・カルダンが世に出たのは、わりあいはやくて。1936年ころのことだったそうです。まずはじめに、サン・エティエンヌで。次に、パリに。パリでは、「パキャン」の店で働いたことがあるんだそうです。
カルダンはクリスチャン・ディオールに出会う前に、ジャン・コクトーに認められています。
ジャン・コクトーの映画『美女と野獣』の衣裳デザインを担当したのも、そんなことがあったからでしょうジャン・コクトーと友人だったのが、堀口大學。
堀口大學が『フランス詩人選』を出版する時に、そのブック・デザインをお願いしたのが、カルダン。堀口大學はコクトーを通じて、カルダンの才能を認めていたから。
1981年に、堀口大學は世を去る。『フランス詩人選』は、その直後に完成。カルダンは本を持って来日し、鎌倉霊園の大學の墓前にそれを捧げたんだそうですね。
堀口大學の翻訳に、『太陽のたわむれ』があります。もちろん、モーリス・ルブランの「ルパン物」。この中に。

「エレガントな仕立ての服を一着に及び、栗色ビロードのチョッキをつけ、ネクタイには真珠が光っていた。」

これはレブスタイン男爵の着こなし。ヴェルヴェットのジレ、いいですねえ。

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