カサノヴァというお方は、プレイボーイだったそうですね。
ジャコモ・カサノヴァ。1725年、ヴェネツィアに生まれています。でも、カサノヴァは長くヨーロッパを遍歴して。「ヨーロッパ人」というべきかも知れません。
そのカサノヴァがひさびさにイタリアに帰って、冗談を言う場面があります。若い貴婦人に、朝のコーヒーを誘われて。もうコーヒーは飲んできましたから、と。
「カフェを一杯、サヴォイヤールをふた切れ………」。
と、レディはわざと「カフェ」を「喫茶店」と解して。
「まあ、喫茶店を飲んでいらしたの………」と。余談ですが、「サヴォイヤール」はイタリアのビスケットの一種。カサノヴァはサヴォイヤールをコーヒーに浸して食べたようですね。
コーヒーのひとつに、「サンカ・コーヒー」あります。カフェイン抜きのコーヒー。「サンカ・コーヒー」は、1903年にはじまったとの説があります。
ある時、ドイツの港に輸入されたコーヒー豆が塩水をかぶって、使いものにならない。これを受け取ったのが、ルートヴィッヒ・ロゼリウス。ロゼリウスはコーヒー豆から塩分を抜く研究を。その結果生まれたのが、カフェインなしのコーヒー豆だったという。
1903年、ロンドン郊外、ハムステッドに生まれたのが、イーヴリン・ウォー。イーヴリン・ウォーの短篇に、『良家の人々』が。これは物語の主人公が、ある公爵の孫の家庭教師になる話。この中に。
「ジョージは、いかにも育ちがよいものらしく、チェックの生地が好みだということを明かした。」
この「ジョージ」が、公爵の孫という設定なんですね。「チェック」。プリンス・オブ・ウェールズ・チェックなんでしょうか。