ハート。題名にハートがつく歌に、『ハートブレイクホテル』がありますよね。
1956年にプレスリーが歌って、ヒット。というよりも、エルヴィス・プレスリーの本格的なレコード・デヴュー曲。
ロンリー・ストリートにハートブレイクホテルが建っている……。そんな歌詞の『ハートブレイクホテル』がヒットするとは、誰も思っていなかった。
プレスリーは『ハートブレイクホテル』を、原作よりもはるかに明るく歌った。で、拍手喝采。
1956年1月28日。エルヴィス・プレスリーは、NYにいた。トミー&ジミー・ドーシーの番組に出るために。その番組の中で歌ったのが、『ハートブレイクホテル』。
『ハートブレイクホテル』の人気、上昇。同じ年の4月。ヒット・チャート、第1位。この第1位は八週間続いたという。
ロックンロールが広く認められはじめたのは、『ハートブレイクホテル』から。そう言っても、大きな間違いではないかも知れませんね。
ロックンロールであり、ロックであり。でも、どうして「ロック」 rock なのか、よく分かってはいないらしい。なんでも一部で使われていた俗語からはじまっているんだとか。
1967年、カナダに生まれたロック・グループに、「ステッペンウルフ」があります。「ステッペンウルフ」の『ボーン・トゥ・ビー・ワイルド』は、たぶんお聴きになったことがあるでしょう。
「ステッペンウルフ」のグループ名は、ヘルマン・ヘッセの『荒野のおおかみ』にヒントを得ています。ヘッセ著『荒野のおおかみ』を読んで、感動したから。『荒野のおおかみ』の原題が、『デル・ステッペンウルフ』なんですね。『荒野のおおかみ』の中に。
「特別念入りに新しい下着とネクタイとくつひもで身づくろいをするのは、すばらしかった。」
もちろん主人公の、ハリー・ハラーの気持。ハリー・ハラーにヘルマン・ヘッセ自身が投影されているのは、言うまでもないでしょう。
たしかに。新しい靴紐は、気持の良いものですよね。