サン=サーンスには、面白い曲がありますよね。
『動物の謝肉祭』だとか。サン=サーンスの『動物の謝肉祭』は、1886年に作曲されているんだそうです。
サン=サーンスの友だちに、ルブークという人がいて。ルブークはチェリスト。ルブークがオーストリアの、クルディムという町で、謝肉祭を開くことに。そのために作曲されたのが、『動物の謝肉祭』なんですね。初演は、1886年3月9日のこと。
『動物の謝肉祭』はその名の通り、動物の様子をぜんぶ楽器で表現。クラリネットが雌鶏の鳴声を。ピアノが雄鶏の鳴声を。亀の様子は、ピアノ、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスで。
象は、ピアノとコントラバスで。カンガルーは、ふたつのピアノで。「水族館」は、ピアノ、フルート、ハーモニカで。
シャルル・カミーユ・サン=サーンスは、オルガンの名手でもあって。1871年には、ロンドンでオルガンのコンサートを開いています。アルバート・ホールで。この時に好評だったので、ロンドンから作曲を依頼される。その結果生まれたのが、『交響曲第三番』なのです。『交響曲第三番』は、1886年に、ロンドンで初演されているのも、そのためなのでしょう。
サン=サーンスの『ヴァイオリン協奏曲第三番』が初演されたのが、1881年1月2日のこと。
1881年頃を時代背景としたミステリが、『殺しはアブラカダブラ』。ピーター・ラヴゼイが、1972年に発表した物語。この中に。
「長外套にくるまり、ダービー・ハットを被ったふたりの警官は………」
と、あります。そして「長外套」には「アルスター」のルビが振ってあります。アルスター ulster は1860年代の登場。アイルランドの、旅行用の大外套だったものです。