求婚と刺繍

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求婚はもちろん、プロポーズのことですよね。プロポーズにはなんて言えばいいのか。男は皆、悩むものです。そのひと言を言い出す瞬間まで。
まあ、プロポーズの言葉のひとつの例ですが。

「君、ぼくと結婚したくなんかないだろうね………」。

うーむ。そんな言い方もあるんでしょう。では、これに対して女はどう返事するのか。

「でもわたし、しばらく結婚のことは考えたくないのよ。」

ただし、これは小説の中でのやりとりなんですが。J・D・サリンジャーの短篇、『ルイス・タゲットのデビュー』に出てきます。もっとも、ルイス・タゲットと、カール・カーフマンは結婚するんですね。物語の中では。そして結婚したカールがルイスによって変わるという話なんです。
たとえば、白い靴下を履かなくなったとか。ウイング・カラーのシャツを着ないなったとか。
カールはルイスと結婚してから。タキシードを着る時、ウイング・カラーではない、ダブル・カラーのシャツを着るように。もちろんルイスの好み、ルイスの注文なんですね。
『ルイス・タゲットのデビュー』は、1942年の発表。この時には作者のサリンジャー自身はまだ、求婚の科白を言っていない。サリンジャーの結婚は、1955年2月17日のことですから。
サリンジャーが『ライ麦畑でつかまえて』を発表するのが、1951年。1952年。サリンジャーのかつての母校、「ヴァレー・フォージ陸軍幼年学校」は、彼を名誉卒業生に選んでいます。
1951年。スペインに生まれたのが、アウトゥーロ・ペレス・レベルテ。レベルテが1993年に発表したのが、『ナインスゲイト』。この中に。

「腰回りをぴったりに仕立てた刺繍つきチョッキとからだに合わせて作ったジャケットで………」。

これはトレドの富豪、バロ・ボルハという人物の着こなし。エンブロイダーのあるヴェスト、いいですねえ。

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