ピーターで、音楽でといえば、『ピーターと狼』でしょうね。ロシアの、セルゲイ・プロコフィエフが、1936年に作曲。『ピーターと狼』は珍しく、はじめから少年少年のための音楽として作られたものです。
「時には、動物ばかりが登場する音楽はどうですか?」
そんな、ある女性の言葉から生まれたものと、考えられています。『ピーターと狼』は、プロコフィエフの音楽なのですが。ここから生まれた小説もあります。
英国の作家、アンジェラ・カーターの短篇。題ももちろん、『ピーターと狼』になっています。
「一番上の男の子ぴは七度目の夏を迎えると、父親と一緒に山に行くようになった。」
どうして夏に山に行くのか。山羊を飼っているので。山羊に山の草を食べさせるために。美味しい草をたくさん食べさせると、美味しい乳が得られるのです。この美味しい乳から、チーズが造られたりするわけです。
アンジェラ・カーターは、1969年に日本に来ています。それからの二年間は日本に住んで。日本を題材にした小説も書いています。
小説で、ピーターといえば、イギリスの、ピーター・ラヴゼイを忘れてはなりません。ピーター・ラヴゼイが、1992年に発表したのが、『単独捜査』。この中に。
「ざっくり編まれたピンクのセーターと、靴下と、白のスニーカーを仕入れてきてくれたのだ。」
もちろん、元警視の、ピーター・ダイヤモンドのために。男のピンク。なかなか、佳いものです。ことに大人の男である場合に。