ハイカラとバティスト

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ハイカラは、今でも活きている言葉なんでしょうかね。ハイカラは、「西洋気取り」の意味。明治語であります。
ハイカラは、「ハイ・カラー」から来た言葉。明治のはじめ、高い、堅い襟を着るのは、「西洋気取り」と思われたのでしょう。
森 鷗外にも「ハイカラ」な一面があったらしい。それはそうでしょう。森 鷗外は明治十七年に、ドイツに留学もしていますから。
横濱を8月24日に発って、10月7日には、マルセイユ着。マルセイユからケルンを経てベルリンに到着したのが、10月11日の夕方だったという。
ベルリンは、ドイツはビールの美味しい所。もちろん鷗外もドイツ・ビールに親しんでいます。一ℓ入りのビア・マグで飲んだとのことです。それというのも、鷗外はドイツ土産として、そのビア・マグを持ち帰ってもいます。
話は変わりますが。日本での、自宅での鷗外は、茶漬けがお好きだった。饅頭茶漬け。飯の上に、餡饅頭を細かくほぐしかける。で、その上から煎茶を注ぎ入れて、茶漬け。「饅頭茶漬け」、もしくは「鷗外茶漬け」でありましょうか。
森 鷗外が、明治四十三年に発表した短篇に、『桟橋』があります。この中に。

「自分も袂に入れて来た、バチストのハンカチイフを痩せた指に摑んでは見たが……………」。

「バチスト」は、バティスト batiste のことかと思われます。バティストはもともと麻織物。古いフランス語で。「バトレ」 battre から来た言葉だろうと、考えられています。バトレは、「叩く」の意味。織った後、叩いて仕上げたのでしょうか。
バティストはなにもハンカチだけには限りません。一度、極上のバティストで、ハイ・カラーのシャツを仕立ててみたいものですね。

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