真鍮とシルエット

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真鍮は、丈夫な金属ですよね。真鍮はまた、「黄銅」とも呼ばれるらしい。これに対する表現が、「青銅」。ブロンズですね。
黄銅は英語で、ブラス。よくメタル・ボタンなんかにも使われます。それで、「ブラス・ボタン」。真鍮は、銅と亜鉛の合金なんだそうですね。
人工的にではなく、自然に作られた真鍮としては、古代ギリシアの時代にすでにあったという。人間が真鍮を作るようにのは、1520年頃のこととか。
銅と亜鉛とをどのくらいの比率で混ぜるのか。60%の銅と、40%の亜鉛とを混ぜると、「四六黄銅」。これが70%対30%になると、「七三黄銅」になるんだそうです。
真鍮が出てくる小説に、『それから』があります。もちろん、夏目漱石。明治四十年の発表。

「鍍金を金に通用させ様とする切ない工面より、真鍮を真鍮で通して、真鍮相当の侮蔑を我慢する方が楽である。」

これは「代助」の心境を語ったものですが。
真鍮と題につくミステリに、『真鍮の家』があります。エラリイ・クイーンが、1968年に発表した物語。ヘンドリック・ブラスという大富豪が住んでいる家なので、「真鍮の家」。この中に。

「くさりかたびらみたいに身体にぴったり合った紺サージの服を着こんで…………………」。

これは、ブラス家の執事、ヒューゴー・ザーバスの様子。
たぶん、鎧のようなシルエットのスーツなのでしょう。美しいシルエットのスーツを着て、ブラス・バンドの演奏を聴きに行きたいものですね。

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