ハリウッドは、アメリカ映画の都ですよね。スターがそれこそ星の数ほど集まってくる場所であります。
ハリウッド以前のアメリカ映画は、主にニューヨークで製作されたんだそうです。が、もっと広い場所、もっと日照が多い場所を求めて、西海岸に移ったという。今、ハリウッドとなっている場所は、いちじく畑だったとか。それを「柊」に言い換えて、「ハリウッドランド」に変えた。Hollywoodland と綴ると、十三文字。十三文字では縁起が悪いので、後にHollywood と変えたんだそうですね。
ハリウッドを描いた映画に、『ブールバール大通り』があります。ビリー・ワイルダー監督の、1950年の映画。名作です。
『ブールバール大通り』は往年の人気女優が復活を夢見る物語。さて、それを誰が演じるのか。ビリー・ワイルダーははじめ、グレタ・ガルボに主演を依頼。でも、「ノオ」。まあ、ふつう、そうでしょうね。
結局、「イエス」と言ったのが、故き佳き時代の名女優、グロリア・スワンソン。相手役は、ウイリアム・ホールデン。執事役で出演するのが、エーリッヒ・フォン・シュトロハイム。この方も、「往年の名男優」。一見の価値あり。
この『ブールバール大通り』を下敷きに、ミステリにしたのが、『ロンドン・ブールヴァード』。2001年に、ケン・ブルーエンが発表した物語。題名にある通り、物語の背景はロンドンに移されています。著者の、ケン・ブルーエンはアイルランドの生まれなので。
『ロンドンブールヴァード』の中に。
「 〈ヘンネス〉の白のTシャツも大量にあった。《波止場》のマーロン・ブランドが着ていたようなやつだ。」
この「ヘンネス」は、もしかすれば、ヘインズ Hanes ではないでしょうか。
「ヘインズ」は、1901年頃の創業。ヘインズ兄弟がはじめたので、その名前があります。その時の社名は、「ヘインズ・ホージャリー」。1947年に、三枚一袋の販売を考案した会社でもあります。
たしかにヘインズは、ハリウッドにもお似合いですよね。